ディエゴ・マラドーナ
このエントリーをはてなブックマークに追加
コンテンツ
マラドーナの凄さ

マラドーナの凄さ

彼の凄さは

  • 足にボールがくっついているかのようなボール捌き。
  • 瞬時に相手を置き去りにする驚異的なダッシュスピード。
  • 大きな相手に対しても当たり負けしない強靱なフィジカル。
  • 一本のパスで局面を変えてしまう正確すぎるパス。
  • 寸分の狂い無くゴールに吸い込まれるフリーキック。
    適当に蹴っているようなフリーキックが角に吸い込まれていく動画。
    ランニングシューズで適当に蹴っている様だが・・。

など、ほぼ全てにおいて完璧なプレイヤーであることは世間一般で知られている。
しかし、実際にはそれ以外にも特別な何かがあったようだ。
カズと実際にマラドーナと対戦したことのある金田喜稔さんのインタビューやチームメイト、対戦選手のコメントからそれが垣間見える。

 

1994年、カズがイタリアのジェノアに所属していた時のインタビュー。
イタリアでの金田さんとカズの対談。

金田:カズは参考にしている選手とかはいるの?

カズ:マラドーナですよね。

金田:マラドーナなー。

カズ:僕はあの人だけは違うと思いますね。パス・シュート・ドリブル、全部持っていると思います。

金田:実はね、マラドーナは俺も2回対戦したことあるんだよ。

カズ:うらやましいですね。

金田:対戦したことあるんだけど、マラドーナってのは全然、違うんだよな。
俺もペレやクライフといった世界の名だたるプレイヤーとやってはいたよ。
やってはいたけどマラドーナってのは全然違うんだよ。
なんだ、こんな奴いるのって。
前半出て行って、後半出てくるのが嫌になるくらい。

カズ:そうなんだよね。こっちにも、ジェノアにもマラドーナと対戦した選手とかナポリで一緒にやってた選手がいるんですけど、(誰に聞いても)全然違う。全然違う。って。

金田:そうなんだよね。遊びでも入っていけないバリアがあるの。

カズ:遊びでもうまいんですよ。彼は。


『1番凄かったのはマラドーナだ。彼は特別だった。その次がファンバステン。そして少し落ちてプラティニだ。』
※ローター・マテウス(元西ドイツ代表)
86年ワールドカップ決勝でマラドーナをマンマーク。

 

『ジダンは世界でも5本の指にはいるすばらしいジョカトーレ(サッカー選手)だけどマラドーナは他のファンタジスタ達とは次元の違う唯一の存在。
だってジダンが止まってやるプレーをマラドーナならトップスピードでやってしまうんだから。』

※チロ・フェラーラ(元イタリア代表)
ジダン(ユベントス)とマラドーナ(ナポリ)と同じチームでプレーをしたことがある。

 

『私の時代では私、ロベルト・バッジョとロベルト・マンチーニだね。
今はロビーニョ(レアル・マドリーFW)とロナウジーニョ(バルセロナMF)かな。
まぁマラドーナだけは別格なんだけど・・・』

※ジャンフランコ・ゾラ(元イタリア代表)
2006年にドリブラーと言われて浮かぶ名前は?という質問に対して。
ナポリ時代にマラドーナと共にプレーした。

 

『彼と私を同じものさしで比べないでほしい。
才能とコーチ、環境に恵まれ努力をし続ければ私のような選手になれるだろうが、彼にはなれない。
私のように得点王になる事が出来ても、彼のようにどんな選手にでも得点を取らせて、自らも得点王になることは出来ない。
私は彼のようになるにはどうしたら良いのか解らない。
私には歴代最高の選手達が非常に近く見えるが、彼だけは見えない。
彼の背中すら見えないのです。』

※マルコ・ファンバステン(元オランダ代表)

 

『ボールを扱うコントロールテクニックは、自分が初めて見た完璧な選手だった。
マラドーナがボールをコントロールしながら走るとき、あるいはディフェンスをドリブルでかわす時、それはまるでボールが足にくっついている感じなんだ。
あれは最初の合同練習のときだったと思う。彼が初めてボールに触った瞬間、周りの選手の動きがストップしたんだ。
すべての選手の目がマラドーナの足下に釘付けになっていた。
なぜかって? 彼が繰り広げる色々なボールテクニックを実際に見るのはみんな初めてだったからさ。
ああゆう選手はもう二度と出てこないと思う』

※カラスコ(元FCバルセロナのサッカー選手)

 

『忘れていたわけじゃないよ。彼は何と言うか別格の選手、別宇宙の存在なんだ。
彼のことを他の選手と同じ次元で語るわけにはいかない。
僕は何度か彼のマークにつく機会があったけど、同じピッチに立てたことを、本当に幸運に思っている。
とにかく言えるのはマラドーナという選手は天空を突き抜けたような存在。
そのプレーは、今後二度と見ることができないものということ。
彼の技術は言うまでもなく、身体からにじみ出るようなカリスマ性は、尋常じゃなかったんだ。』

※パオロ・マルディーニ(元ACミラン・イタリア代表のサイドバック)

そう、マラドーナと対戦した選手、一緒にプレーした選手達から一番多く聞かれるのは「違う」「別次元」という言葉。
例えば、選手が他のサッカープレイヤーに対してコメントをする時は、「最も優れた選手の一人」や「素晴らしい選手」、「うまい」といった言葉で表現されているのが通常だ。
印象を聞かれて、真っ先に「違う」や「異次元」、「別格」といった言葉で形容されている選手はマラドーナだけではないかと思う。

ファンバステンもマラドーナの「違い」の存在を理解しているために、上記のように練習すれば歴代の名選手達(おそらくペレやクライフのこと)に近づけるが、マラドーナにはどうやって到達すればわからないとコメントしているのだろう。

 

実際、マラドーナのドリブルを見てみると、一般のプレイヤーでは抜けないと考えるドリブルコースを選択して抜き去っている事も多い。
おそらくそのあたりの技術が「うまい」ではなく「違う」と感じる一因なのだろう。
もちろん、それが全てではないだろうが。

マラドーナのドリブル、ボールコントロールの凄さは、ドリブルが得意なある程度の能力を持った経験者にしかわかりにくい事だと思う。
一般の人には何を言っているかわからないと思うので、実際に対戦したことのある都並さんの動画を見てもらいたい。「違い」について解説をされている。

都並さんマラドーナドリブル解説
http://www.watchme.tv/v/?mid=cfe7f960edd611cac813499f78a9b27b

マラドーナのテクニックの凄さに対しても解説している。
http://www.watchme.tv/v/?mid=212fac5faec74f81ad6bac3dd9d84589

http://www.watchme.tv/v/?mid=26c853b77628776cfc7fef95d38a7bbd

 

この動画がまさにその状況である。マラドーナが直進してきたにも関わらず、足すら出すことなく抜き去られている。決してやる気がなかったわけではない。
7:10秒くらいから。
一人目を一瞬で抜き去るが、ディフェンダーは足すら出せない。

 

こちらの5人抜きもその状況である。6:40秒付近から。
イングランドディフェンス陣も1流のプロサッカー選手。
あれだけスコスコと抜かれていくのはマラドーナの見えない技術によってのもの。
マラドーナは遅らせるディフェンスをする隙を与えなかった。

 

 

 

ヴェルディで長く活躍した「プリンス」菊原志郎さんも動画でプレー解説をしている。
少し微妙な動画だが参考に。
http://kids.gakken.co.jp/sports/soccer/dribble/movi_dribble_25.html

都並さんの解説ではメッシと似ていると表現しているが、メッシとはまた少し違うと感じる。
マラドーナは右にも左にも抜いていくが、メッシは左に抜いていくことが多い。

一般的に右に交わすのと左に交わすのでは、利き足側に交わす方が容易である。
理由は、利き足側であれば、ドリブルしているフォームをそのまま変えずにアウトサイドで自然にボールを持ち出せるからで、相手にかわすことが認識されにくいのだ。

利き足と逆の方に交わす場合はどうしても一瞬、インサイド(アウトサイド以外)に持ち替える必要が出てしまうため、時間的なロスと相手に仕掛けがばれやすくなってしまうのだ。

現在のウイングの選手が右利きは左サイド、左利きは右サイドに配置されるのはそういう理由もある。
※もちろん、外から中に入っていた方がシュートを打ちやすいと言う理由もある。

クリスティアーノ・ロナウドやリベリなら左サイドから中へ、メッシやロッベンであれば、右サイドから中に切れ込みシュートやパスを狙っているのを良く見かけると思う。

多くの選手が「違う」「別次元」と感じたものが、この解説通りだという保証は何も無いが、完璧なボールコントロール以外にも彼には素晴らしい技術があることを知ってもらいたいと思う。
残念ながら、現代の選手に彼のような見えない技術を感じられる選手は少ない。
ジダンやイニエスタのドリブルには「なんでそれで抜けるんだろう」と近いものを感じる事はあったが、マラドーナほどの破壊力は持ち合わせていないように思う。

速い、上手い、強い。
これだけボコボコのグラウンドで、これだけのボールコントロールができるのは驚異的。いかに技術が高いのかがわかる。

5分10秒あたりの胸トラップからのディフェンダーをかわすプレーは素晴らしいの一言。こういうプレーをマラドーナは1試合に一度は見せてくれていた。
ジーコが対戦時に「あまりに凄すぎて」笑ってしまったというエピソードも仕方のない事だと言える。

マラドーナにかわされるディフェンダーは例外なくバックチャージで体ごと持って行こうとしているが、それでもマラドーナを止めることができない。
現在ならおそらく最低でもイエローカードのプレーだが、当時はカードが出されることはなかった。そのために、マラドーナは何度もけがをすることになる。

 

マラドーナがバルセロナ在籍当時のレアルマドリッドとの「クラシコ」。
今とは比べものにならないくらいの削り合いで、現在の基準ならレッドカードやイエローカードクラスのファールも当たり前に行われており、マラドーナは常に反則まがいのマークをされている。

【注目プレー】
・7分25秒付近
・7分55秒付近
・11分付近
・15分30秒付近

マラドーナが公開した動画。土のようなグラウンドと現代ならレッドカード上等のファールが雨あられのように。それでもマラドーナは類い希な技術で突破し続けた。