ディエゴ・マラドーナ
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メッシとマラドーナ

奇しくも、同じアルゼンチンから生まれたFCバルセロナ所属の天才プレイヤー「リオネル・メッシ」。
プレイステーションの世界を生きているとも言われ、2013年現在最高の現役プレイヤーである。
巷では、マラドーナが史上最高なのか、メッシが史上最高なのかとさまざまなところで論争が起きているようだが、もちろん、このような論争は結局は水掛け論で結論がでることはない。

ただ、実際のテクニックやスピードなどサッカー選手としての能力はマラドーナとメッシの間には大きな差があるように思う。
ドリブルはマラドーナに近いものを感じるが、すべてにおいてディエゴの域までは達していないだろう。

メッシを史上最高とするサッカープレイヤーの発言も少なくないが、これはメッシの驚異的な得点能力に注目しての発言だと思う。
バルセロナで驚異的な得点数をあげてはいるが、これはメッシを取り巻くいくつかの恵まれた要因が生み出しているものだろう。
もちろん、メッシが抜群のテクニックとアジリティを持つ歴史に残るスーパープレイヤーであることに疑いの余地はない。

  • ボール保持率70%を超えることも珍しくないバルセロナ。周りのサポートが強烈なので、常に有利な体勢でボールがもらえる。
    優れた戦術によって常にパスコースが確保されている。
    そのため、メッシだけで無く、チームメイトのほとんどがボールを失うことがない。
  • スペインリーグの他のチームとのチーム力に大きな差がある。
    レアルとバルサは常にぶっちぎりの勝ち点で優勝争いをしている。
    同じような条件にあるレアル・マドリッドのクリスティアーノ・ロナウドもメッシ同様に得点を量産している。
  • カンプノウではパスやシュートが走りやすいように良質な芝の上に水がまかれ、ボールを回すチーム戦術を実行しやすいように、ルールいっぱいにピッチの横幅をとっている。 ※いつから設定されたルールなのかは不明だが、過去には水をまくルールはなかった。
    ボールが走るため、当然ながらシュートも入りやすくなる。
    メッシはまた抜きシュートやグラウンダーのシュートを得意としているが、ボールが走らない昔のピッチでは実現しにくいシュートである。

アルゼンチン代表とバルセロナでは大きく活躍の度合いが違うのも、その証明と言えるだろう。もちろん、アルゼンチン代表でも素晴らしいプレーを披露しているが、史上最高と呼ばれるには足りない部分が多いと思う。
マラドーナはどのチームでも中心となり、チームを勝利に導く圧倒的な力を発揮していた。
それが、降格争いレベルのチームでしかなかった「ナポリ」だったとしても。

また、想像の話になるが、クリスティアーノ・ロナウドをバルセロナに、メッシをレアル・マドリッドに移籍させた場合、クリスティアーノ・ロナウドはメッシと同様に得点を重ねることができると思うが、メッシはバルセロナほどの得点はできないとも思う。
もし、できるのであれば少なくともアルゼンチン代表でバルセロナと同様とはいわないまでも、それに近い活躍ができているはずなのだ。
メッシを蔑む話ばかりでメッシファンには申し訳ないと思うが。

上記に似た内容をジーコもインタビューで応えている。

ジーコ氏「メッシはまだマラドーナの域には達していない」

「サッカー界史上最高の選手は、ペレかマラドーナのどちらか?」という永遠のテーマに終止符を打つ可能性があるとも言われつつあるバルセロナのメッシについて、元日本代表監督のジーコ氏が、母国ブラジルの『SporTV』とのインタビューで自身の見解を述べた。

かつてはブラジルサッカー界の伝説ペレと比較された経験を持つジーコ氏だが、 同様にマラドーナとの比較を受けているメッシは、まだアルゼンチンの英雄の全盛期には及ばないと見ているようだ。

「メッシがマラドーナと比較されるほどの選手であることは間違いない。
だが、マラドーナの域にはまだ達していないように思える。なぜなら、マラドーナはすべてのプレーで対戦相手から厳しいマークを受けていたが、メッシはそこまでの 状況を迎えていないからだ。とはいえ、わたしにとってメッシは現在のサッカー界で唯一の天才だ」

一方、かつて鹿島アントラーズでもプレーし、現在はブラジル代表のアシスタントコーチを務めるジョルジーニョ氏は、メッシが別次元の選手であることを認めながらも、ワールドカップ(W杯)・南アフリカ大会でアルゼンチン代表と対戦した場合には、同選手を止める対策があることを明らかにした。

「メッシは、違いを生み出すことができる本物の“クラック”(一流選手)であり、 段違いにレベルが高い。当然、アルゼンチン代表にとって彼は非常に重要な選手だ。
しかし、ワールドカップ制覇を目指すチームが1人の選手を恐れるようなことはあってはならない。ブラジル代表には彼を止める秘策がある」


「セリエAならメッシは30ゴール以下」?

PSVのMFマルク・ファン・ボメルによると、ミランの選手たちは、バルセロナFWリオネル・メッシがイタリアでプレーした場合、現在のようにゴールを量産することはできないと考えているそうだ。

20日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグで、ミランはメッシを封じ込め、バルセロナを2-0と下した。昨季までミランでプレーしたV・ボメルによると、ミランサイドは、メッシがセリエAでプレーした場合、30ゴールも挙げられないと考えているそうだ。

V・ボメルはオランダ『Algemeen Dagblad』で次のように話している。

「ミランの選手の4分の3は、セリエAならメッシが30ゴール以下にとどまると考えていた。僕も含めて、だよ。セリエAはアプローチがとても異なるんだ。メッシがイタリアのクラブ相手にゴールを決めたのは、去年が初めてだ。それは偶然じゃない」

バルセロナとミランの両チームでプレーした経験を持つV・ボメルは、このようにも述べている。

「バルセロナでは素晴らしい一年を過ごした。でも、ミランでの愛情はすごかったよ。加入したときの違いもあるかもしれない。(ミラン加入時は)ビッグネームとして扱われた。でも、ミランではサッカーだけじゃなく、人間としても素晴らしい時間を過ごしたんだ」

マラドーナはマンマーク全盛時代に常にマークされ、厳しい中でプレーしてきた。
もし、今のバルセロナで、メッシのポジションで全盛期の彼がプレーしていたら、メッシを超える得点を挙げていたと思う。

現在よりもファール基準が甘く、マラドーナは常に足を狙われていた。
常にマラドーナにはマンマーク(時には数人がかりで)がつき、バルセロナ時代には「あいつの脚を折る」と宣言していたゴイコチェアに実際に足首を折られたほどだ。
現在なら、下手をすれば永久追放クラスの行為である。

以下の動画で当時の状況が確認できる。
なんと、この極めて悪質なプレー(1分50秒あたり)にもイエローカードしか出されなかった。当時のファールに対する基準の甘さが伺える。


ジェンティーレ
マラドーナを完封した男が語る「メッシを止めるにはどうすればいいのか?」

ご存知のとおり、1月9日にバルセロナに所属するアルゼンチン代表のメッシがバロンドールを受賞。

3度目の受賞は史上4人目で、3年連続受賞は元フランス代表で現UEFA会長のプラティニ以来、史上2人目となった。
アルゼンチンの若者は24歳にして、伝説の選手たちと肩を並べてしまったわけだ。
地元紙は「王様の中の王様」と彼が歴史上ナンバー1の選手であると讃えている。
昨季は55試合で53得点を決め、今季もこれまでに29試合で31得点と、その勢いは全く衰えない。それどころか、彼を阻むのは日に日に難しくなってきている。

メッシを止めるにはどうすればいいのか?
元イタリア代表のディフェンダー、クラウディオ・ジェンティーレはこう語っている。
「昔のようにマークをすれば、メッシは止められる」 ジェンティーレは1982年ワールドカップのイタリア代表の優勝メンバーで、その大会ではマンマークでマラドーナ、そしてジーコを抑え込んだことで有名だ。

そんな名ディフェンダーはメッシもマンマークで阻止できると考えている。 しかし、現代サッカーではマンマークをしない。なぜ、しないのか? 元世界王者はこう考えている。

「メッシと対峙した時には(その選手は)もう負けたと感じるだろう。
彼を阻止する術がないのだから。誰も彼をマークしたくないんだ。マンマークをするということはすごく責任を負うことだ。
なぜならその選手にゴールを決められれば、責任は必然的にその選手となる。
今はゾーンディフェンスが主流だ。
だから、失点の責任は誰にもない」

もし彼が現役だったら、メッシをどう迎えうつのだろうか。

「マラドーナをマークした時、私は彼のビデオを2日間見続けてプレーを研究し、そしてどう対応するのか考えた。
そして唯一、自分ができることは彼を前に振り向かせないことだった。
彼がボールを持ってゴールに向いてしまえば、もう追いつくことはできない。
しかし、彼の背後にずっとくっついていれば、味方は彼にボールを預けられない。

このやり方で相手チームで最もポテンシャルがある選手を孤立させる。
こうやってキープレーヤーをマークし、チームプレーから孤立させる。今はこのやり方を誰もやらない」

メッシはよくアルゼンチンの英雄、マラドーナと比較される。
そのマラドーナを抑え込んだ方法ならば、メッシを封じることができるとジェンティーレは考えているようだ。
たしかにメッシに露骨なまでにマンマークしたチームは今のところ現れていない。

古くさく、時代錯誤にも映るが、メッシをひたすらマンマークという策がバルセロナのサッカーを機能不全に陥らせるかもしれない。
ジェンティーレは2006年まで21歳以下のイタリア代表監督を務めており、決して現代サッカーに疎いわけではない。
現役時代から思考が止まっているわけでもない。
サッカーの戦術はクライフ登場以降、サイクルがあり、流行、すたりがある。
ゆえにマンマークでメッシを抑え込むことができたら、それが現時代の流行になったとしても決して不思議ではないのだ。